先日、PHP研究所公式YouTubeで、
絵本『ゴロゴロごろうゴロゴロ』の
読み聞かせを担当させていただきました。
作は、大林大さん。
絵は、ビジュアル/アートディレクターとしても活躍されている、しんぺーさん。
もう、タイトルからしておもしろい。
「ゴロゴロごろう、ゴロゴロ」
声に出したくなりませんか?(笑)
主人公の「ぼく」のお父ちゃんは、いつも家でゴロゴロ。
「お父ちゃんって、いったい何の仕事をしているんだろう?」
そんな子どもの素朴な疑問から、物語は思わぬ方向へ広がっていきます。
そしてこの絵本には、いろいろな「ゴロゴロ」が登場します。
同じ「ゴロゴロ」なのに、
場面によって音も、表情も、テンポも違う。
読み手としては、これがもう、おもしろい。
さて、この「ゴロゴロ」はどう読もう?
そんなことを考えながら、収録に臨みました。
私なりの「声で遊ぶ」チャレンジ。表現の幅を広げてみた!
私はこれまで、親子の愛情や命、心にそっと寄り添うような絵本を読む機会が多くありました。
言葉を丁寧に届けること。
「間」を大切にすること。
聞いてくださる方の心に、そっと言葉を置いていくこと。
そんな読み聞かせを大切にしてきました。
でも、今回の作品はちょっと違います。
もっと遊んでいい。
もっと声で動かしていい。
そんなふうに、絵本の方から言われているような気がしました。
声の高さを変えてみる。
テンポを変えてみる。
間を思い切って使ってみる。
そして今回は、
思い切って、コミカルに。
私自身も絵本の世界に飛び込んで、「声で遊ぶ」ような読み聞かせに挑戦しました。
朗読には、その作品に合った声があります。
美しく読むことだけが正解ではなく、
絵や言葉が持っている力を受け取り、
「この作品を、声ならどう表現できるだろう」
と考える。
それもまた、読み手の仕事なのだと思っています。
作り手から読み手へ、そして多くの大人や子どもたちへバトンを繋ぐ


今回、心に残ったことがあります。
絵を担当された、しんぺーさんがSNSに綴られていた、この作品への思いです。
一冊の絵本ができるまでには、私たち読者には見えない、たくさんの時間があります。
企画を考え、
プロットを何度も練り直し、
絵を描いては、また考える。
しんぺーさんの投稿を拝見すると、決定稿になるまで約一年。
絵を描き始めてからも、長い道のりだったそうです。
だからこそ、改めて思いました。
誰かが大切に作った絵本を、今度は私が「声」で届ける。
読み聞かせの仕事には、作り手からひとつのバトンを受け取るようなところがあるのかもしれません。
作る人がいて、
描く人がいて、
本という形にする人がいて、
そして、それを手に取る人がいる。
そこに「声」が加わることで、
また新しい絵本の世界が生まれる。
そう考えると、読み手として一冊の絵本を預けていただけることは、とても幸せなことだと思います。
しんぺーさんが、私の読み聞かせをInstagramのストーリーズで紹介してくださいました。
そこには、
「岡本さんは天才。」
「あぁプロってこういうレベルなんだ!」
という言葉が。
画面を見た瞬間、本当に、泣きそうなくらい嬉しかった。
もちろん私は「天才」なんかではありません。
長く声の仕事をしてきても、毎回考えます。
この言葉をどう届けよう。
この「間」でいいのかな。
この登場人物は、どんな声で話すだろう。
今回の『ゴロゴロごろうゴロゴロ』は、私にとっても、これまでとは少し違うコミカルな表現への挑戦でした。
だからこそ、この絵本を大切に作ってこられた方からいただいた言葉が、本当に嬉しかったのです。
私にも、まだ知らない「声」がある
アナウンサーとして伝える声。
朗読家として物語を届ける声。
絵本講師として、子どもたちやお母さんたちに届ける声。
これまで長く「声」とともに仕事をしてきました。
それでも今回、
私の中には、まだ自分でも知らない「声」がある、ということを知りました。
しっとりと心に届ける朗読も好き。
胸がいっぱいになるような物語も好き。
そして今回のように、子どもたちが思わず笑ってしまうような、コミカルな読み聞かせもおもしろい。
作品によって、声が変わる、表情が変わる。
そして、読み手である私自身も変わっていく。
だから、朗読はおもしろい。
これからも「私はこういう読み手」と自分で枠を決めることなく、さまざまな作品と出会い、新しい表現に挑戦していきたいと思います。
誰かが大切に作った作品を、
その思いごと受け取って、声で届ける。
そんな仕事を、これからも一つひとつ大切にしていきたいと思います。
ぜひ『ゴロゴロごろうゴロゴロ』の絵本と一緒に、PHP研究所公式YouTubeで読み聞かせも楽しんでいただけたら嬉しいです。
さて――
いくつの「ゴロゴロ」が聞こえてくるでしょうか?😊
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